緑茶は昔から日本人に一番親しまれてきたお茶です。最近は急須を使ってお茶を淹れることはなくても、ペットボトルでよく飲まれている方は多いのではないでしょうか。生活習慣病を予防したり、リラックス効果など多くの健康効果が検証されている緑茶について紹介します。
緑茶とは
お茶の歴史は中国から始まり、世界中に広がりました。宗から帰国し、日本に茶を伝えた栄西はその著書「喫茶養生記」に茶の効用を「茶は養生の仙薬であり人の寿命を延ばす妙術である」と記しています。
ツバキ科の学名Camellia sinensis、英名Tea、チャの葉部の不発酵茶が緑茶(グリーンティー)です。半発酵が烏龍茶、完全発酵したものが紅茶です。寒さに強い中国種と寒さに弱いアッサム種に分けられますが、緑茶は中国種が起源です。アッサム種に近い品種にはべにふうきがあります。
緑茶の気になる成分と作用
カテキン(タンニン)
緑茶の産地、静岡県では胃がんの発生率が全国平均より低いという調査結果から、茶の機能性について研究が始まり、茶に含まれるカテキン類が注目されるようになりました。代表的なものは「エピガロカテキンガレート」「エピガロカテキン」「エピカテキンガレート」「エピカテキン」の4種類です。
活性酸素の除去による脂質酸化抑制、血中コレステロール抑制、血糖抑制作用が知られています。茶カテキンの50%を占めるエピガロカテキンガレートは研究が進んでいて、抗酸化ストレス、抗発癌、βーアミロイドの生成抑制、動脈硬化抑制、インフルエンザウイルス感染抑制作用等が報告されています。抗菌作用、下痢を抑える効果も。メチル化されたメチル化カテキンは抗アレルギー作用があることがわかっています。
カフェイン(アルカロイド)
中枢神経を興奮させる作用によって覚醒作用があります。筋肉中のブドウ糖よりも脂肪をエネルギー源として利用するようになり、持久力が向上します。利尿作用もあります。
テアニン(アミノ酸)
脳や神経細胞の興奮を抑えてリラックス効果があり、ストレス緩和や睡眠の質を改善する効果が期待できます。テアニンの研究では、摂取後40分位で副交感神経が活性することがわかっています。
緑茶の嬉しい効果
- 生活習慣病の予防、ダイエット効果
- 免疫力の向上
- リフレッシュ&リラックス効果
- 抗アレルギー(べにふうきがおすすめ)
- むくみ改善
- 下痢症状の緩和
- 虫歯や口臭予防
- 美肌効果(ビタミンCをはじめ、ビタミンミネラルも豊富)
注意が必要な方
気管支を広げる薬、中枢神経を刺激する薬を服用中の方は注意してください。カフェインが苦手の方、妊娠授乳中の方、お子さんは飲み過ぎないようにしてください。
緑茶を淹れる温度で味や成分が変わります。
- テアニン(旨み成分)は低温、10度以下でも溶け出します。
- カテキン(エピガロカテキンガレート)(渋み成分)は60度くらいから溶けだし、80度以上の高温で抽出しやすくなります。
- カフェインは高温になる程多量に溶け出します。
熱湯で短時間の抽出ではまず先にカフェインが溶け出し、長時間でカテキンが徐々に溶け出します。カフェインとカテキンは結合するため、時間を置くと興奮作用は低下します。
緑茶は淹れる温度によって、味も成分も変わってくるので、生活習慣病予防やダイエット効果を期待する方は高温でエピガロカテキンガレートやカフェインを多めに抽出するといいでしょう。
リラックス効果を期待したり、緑茶の旨み成分をじっくり味わいたい方、カフェインが苦手な方は低温で抽出するのがいいでしょう。
粉末で緑茶の成分をまるごと摂るのもいいですね。
薬膳漢方での緑茶の考え方
緑茶は涼性で体にこもった熱を冷まし、頭をすっきりさせる作用があります。消化を促し熱を冷ますので、食後のお茶に最適。水の流れが滞っている方に、水分を排出する効果があります。喉の痛みや皮膚の炎症を和らげます。
緑茶を一服
緑茶には様々な成分が含まれ、様々な効果があることがわかっています。紅茶の国イギリスで、健康のために緑茶を飲む方が増えているとか。(紅茶は発酵しているので効果減)
緑茶を一服してほっと一息、日本のお茶文化を大切に心身ともに健康に過ごせたらいいですね。