ハーブティーには、植物が持つ様々な成分が溶け込んでいます。ハーブにはビタミン、ミネラル、機能性を持つ植物化学(フィトケミカル)成分などが豊富に含まれます。ハーブティーを飲むことで、身体に栄養を取り込むことができ、心と身体のバランスを摂ることに役立ちます。今回は植物化学成分とハーブティーについて紹介します。
植物が自分を守る植物化学(フィトケミカル)成分
植物には光合成の過程で作り出す、植物化学(フィトケミカル)成分が豊富に含まれています。植物の苦味は、自らのために害虫を遠ざける成分です。花の色素成分は、植物にとって役立つ昆虫を引き寄せたり、有害な紫外線から植物を守る役目があります。樹皮などに付けられた傷を治すタンパク質を固める成分なども植物には含まれています。植物が自分の体を守ったりケアしたりするために作り出した様々な植物化学(フィトケミカル)成分がハーブティーには溶け出しています。
ハーブの主な機能
抗酸化作用
植物は光合成を行う上で、活性酸素を発生させる紫外線を浴びることを避けることはできません、そのため生体防御反応として抗酸化作用を有する植物化学(フィトケミカル)成分を作り出します。ハーブに含まれる抗酸化成分は、酸化を抑制する働きがあるため生活習慣病予防、老化防止などに役立ちます。
生体防御機能の調節作用
人間が心身のバランスを保つために備わっている機能を調節する植物化学成分が、ハーブには含まれています。免疫を高める作用、ホルモンの分泌を調節する作用、自律神経を整える作用があります。
薬理作用
炎症を抑える作用、痛みを抑える作用、神経系を鎮めてリラックスする作用、筋肉の緊張を和らげる作用など明らかな薬理作用を示すものがあり、医薬品に応用されています。ハーブに含まれる成分の量は少なく、多様な成分が相乗効果で薬理作用を示すところが医薬品とは大きく異なります。(日本ではハーブは食品です)
抗菌作用、抗ウイルス作用
植物は身を守るために生体防御機能として、抗菌、抗ウイルス、抗真菌作用を有する植物化学成分を分泌します。こうした成分を感染防止などに役立てることができます。
栄養素の補給
植物はビタミン、ミネラル、食物繊維、糖質、タンパク質、必須脂肪酸など多くの栄養成分を含みます。例えばローズヒップはビタミンCを多く含み、マルベリーは亜鉛を含みます。
代謝促進作用
植物には利尿、発汗、消化などを促進する作用がある植物化学成分が含まれます。代謝を高めることで体内の環境が改善されます。
植物化学(フィトケミカル)成分の相乗効果
一種類のハーブに含まれる植物化学(フィトケミカル)成分は数百から数千にものぼります。それらが互いに相乗効果を発揮するところが、単一成分で構成されている医薬品と大きく違うところです。
例えば、エルダーフラワーはフラボノイド配糖体の利尿作用とカリウムの利尿作用が相乗効果を発揮します。
エルダーフラワーの過去記事はこちら↓
心にも身体にも作用する効果
一種類のハーブで心と身体の両方に同時に働きかけることができます。
例えばジャーマンカモミールは胃の不調を改善する効果と、神経を沈めストレスをケアする効果があります。精油とフラボノイドによるもの。
ジャーマンカモミールの過去記事はこちら↓
五感に働くハーブティー
ハーブティーを飲むことで、五感を通じて脳に届けられるたくさんの情報が心身に効果をもたらします。一つのハーブで様々な効果が期待できるので、このハーブはこれにと決めつけずに、その日の気分で、香りや色などからハーブを選ぶのも良いですね。ハーブを淹れる音、香りを楽しみ、ゆっくり味わう時間を楽しむことで気分がリフレッシュできます。
ハーブティーの働き方
ハーブティーは優しく、ゆっくり心身に働いてくれます。医薬品のように強力に作用するものではありませんが、医薬品のような副作用などはほとんど心配ありません。生活の中に取り入れることで、健康や美容の助けになります。コーヒーや紅茶をよく飲む方は、夕方以降はハーブティーにするとか、夕食後はハーブティーでリラックスした時間を持つなど生活にハーブティーを取り入れてみてください。
ハーブティーを淹れるのにとても便利でおすすめです。
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一人分の
私はコーヒーも大好きですが、年と共にカフェインがあまり得意ではなくなってきたようで、夕方以降はノンカフェインのハーブティーを飲むようにしています。仕事や子育てなどでイライラした時コーヒーも良いですが、ハーブティーは心身ともにリラックスできますよ。
ハーブとして扱われているものだけでなく、もちろん野菜にもたくさん植物化学(フィトケミカル)成分が含まれています。野菜を中心としたバランスの取れた食事をとることが大切ですね。
ハーブティーを日々楽しみ、植物化学(フィトケミカル)成分の恩恵により心身の健康を目指しましょう。