老化の三大要因と言われる、酸化、糖化、炎症
歳を重ねるのは自然なことですが、同じ歳の方でも見た目に大きな違いを感じる事があります。年齢よりもとても若く見えて元気な方にお会いすると、何をされているのかとても気になります。
私はこの歳(50代)になって、老化のスピードには個人差があるなあと感じることが多くなりました。肌のシミやたるみ、白髪や薄毛などの見た目、高血圧やコレステロール上昇などの生活習慣病、太りやすい、疲れやすい、やる気が出ないなどの日頃の不調も人それぞれです。
見た目が若い方は健康で元気な方が多いように感じます。
長い夏の暑さがようやく落ち着きましたが、強い紫外線、暑さによるストレス、不眠、運動不足などで老化が一気に進んでしまわないように、老化の三大要因を知って予防しましょう。
今回は老化の三大要因について、対処法、おすすめのお茶やハーブを紹介します。
老化の三大要因について
酸化
呼吸によって体内に取り入れられた酸素は、全身の細胞に送られ、熱やエネルギーを作る過程で活性酸素が作られ、活性酸素が細胞を傷つけ、細胞の機能が低下します。クギが錆びたり、りんごの切り口が変色するのも酸化によるもので、同じことが体内で起きています。
活性酸素は核の中にも入って、DNAを傷つけることもあります。
生きて呼吸を続ける限り、活性酸素は発生し、遺伝子が傷つき、傷ついた細胞は機能が不十分になり、ガン化することもあります。
活性酸素を除去する能力が追いつかなくなると、組織や器官の衰えが徐々に進み、肌のたるみ、シミやシワ、動脈硬化や脂質異常症などの生活習慣病の原因になります。
心理的肉体的ストレス、紫外線、大気汚染、タバコ、薬剤、酸化した食べ物の摂取(時間の経った揚げ物など)、食品添加物、過度な飲酒、過度な運動などが酸化を加速させる要因となります。
糖化
食事などで摂った余分な糖分がタンパク質と結びついて、体内の組織を劣化させる現象です。
私たちの体は、臓器、筋肉、血管、肌や髪などほとんどがタンパク質でできおり、体の中に糖がたくさん余っていると両者が結びつきます。これを終末糖化産物AGEsと言います。
AGEsは老化加速物質、肌や血管、臓器、骨や筋肉、脳細胞など体中のタンパク質でできた組織が劣化し、老化が進みます。
動脈硬化、シミシワやたるみ肌、認知症リスク、骨や筋肉の質の低下、老化が加速してしまいます。
糖質の取り過ぎ、暴飲暴食、野菜不足、ストレス、タバコ、睡眠不足、運動不足、AGEsが多い食品の摂取などが糖化の要因です。
炎症
炎症は何んらかの刺激を受けた時に、生体が起こす免疫応答によって生じる反応です。
急性の炎症は、細菌やウイルス、外傷などに対するための生体防御反応の一種で、発赤、熱、腫れ、痛みの症状があります。
炎症は辛い現象ですが、免疫細胞が病原体と戦っている証拠です。通常は数日から1週間程度でおさまります。
しかし、目にみえやすい外因性の急性ものばかりでなく、内因性の炎症もいつも体のどこかで起きており、必要な箇所を修復しています。
自分自身の体内組織の細胞が老化したり変性したりして、刺激物質を分泌するようになり、それによって過剰な炎症反応が起こることがあります。
慢性の炎症は、軽度の炎症が体内で長期にわたり続く状態です。
慢性の炎症は様々な病気と関連すると考えられています。気道で起きれば喘息、冠動脈で起きれば動脈硬化、脳で起きればアルツハイマー型認知症など老化や病気の一因とも言われています。
慢性の炎症の原因には内臓脂肪の増加(お腹っぽこり型肥満)、喫煙、睡眠不足、トランス脂肪酸の摂取、食品添加物の摂取、運動不足、お酒の飲み過ぎ、メンタルストレス、加齢などがあると言われています。
老化の三大要因は、糖化や酸化が進めば炎症が起きやすくなり、炎症が体のあちこちで起きていると、糖化や酸化が進みやすくなるという悪循環になります。
老化を加速させないために
酸化を防ぐ
紫外線を浴び過ぎないように、タバコや過度な飲酒は控え、緑黄色野菜をしっかり摂るようにしましょう。ストレスも溜め込まないようにリフレッシュしましょう。
抗酸化作用があるおすすめの食べ物
抗酸化にはビタミンACE(エース)
ビタミンA:にんじん、カボチャ、ほうれん草、モロヘイヤ、鶏豚レバー、うなぎなど
ビタミンC:キウイ、みかん、いちご、じゃがいも、さつまいも、ブロッコリー、ゴーヤなど
ビタミンE:アーモンド、ピーナッツ、モロヘイヤ、カボチャ、うなぎなど
ポリフェノール:赤ワイン、ぶどう、りんごなど
クルクミン:ウコンに含まれる色素成分、カレーなどに含まれます。
抗酸化作用があるポリフェノールはほとんどの植物に存在します。植物化学成分(フィトケミカル)成分をたっぷりと摂取しましょう。
アスタキサンチン:魚介に含まれる赤色色素成分、サケやエビなどに含まれます。
おすすめのハーブやお茶
ルイボス
ハイビスカス
バタフライピー
マロウブルー
緑茶
抹茶
コーヒー
紅茶
ココア
糖化を防ぐ
暴飲暴食をせず、野菜をしっかり摂ることが大切です。睡眠をしっかり取り、運動不足にならないように気をつけましょう。
糖質を摂り過ぎない、低GI食品や食物繊維の摂取、AGEsが多い食品の摂取をなるべく避けるようにしましょう。
糖質(炭水化物である白米や食パンなど、甘いもの、お菓子類)を摂り過ぎないようにすることが大切ですが、糖は人間を動かすエネルギーであり生命活動に欠かせない栄養素なので、適度に摂取しましょう。
糖を過剰に摂取していつもあふれた状態が続くと、糖質はタンパク質と結びつき老化加速物質であるAGEsに変化してしまいます。
高温で加熱すればするほど食品中のAGEsは高くなります。
揚げる>焼く>蒸す
AGEs量が少ない調理法を心がけ、フライドポテトやナゲットなどのファストフードは程々にしましょう。
糖化は高血糖の状態で進むので、食後血糖値の急上昇を防ぐことも大切です。
食物繊維たっぷりの野菜を先に食べることで、血糖の上昇が緩やかになるので、野菜をしっかり摂り、食べる順番にも気をつけましょう。
食後の血糖値の上昇スピードが低い、低GI食品の摂取を心がけることで、糖化を予防することもできます。
高GI食:食パン、白米、うどん、じゃがいも、白砂糖など
低GI食:玄米、そば、ライ麦パン、全粒粉パスタ、玉ねぎ、キャベツ、ブロッコリー、豆腐、納豆、アーモンド、ピーナッツ、牛乳、プレーンヨーグルトなど
ぶどう、赤ワイン、ベリー類に含まれるレスベラトロールという成分もAGEs生成を抑制するそうです。
おすすめハーブやお茶
マルベリー(桑の葉茶)
ルイボス
ダンディライオン(たんぽぽコーヒー)
ウコン(ターメリック)
玄米茶
緑茶
紅茶
プーアール茶
炎症を防ぐ
暴飲暴食、揚げ物の食べ過ぎに気をつけ、睡眠不足やストレスを溜め込まないように気をつけましょう。タバコは控え、適度の運動も必要です。
油の取り方を意識することがとても大切です。
炎症を抑えるオメガ3系脂肪酸(EPA,DHA,αーリノレン酸)を積極的に摂りましょう。
青魚、サンマやイワシ、サバに多く含まれますが、サケやマグロ、クルミ、亜麻仁油、エゴマ油などにも含まれます。
一般的に使うサラダ油などはオメガ6系脂肪酸と言われており、炎症を促進しますが、体に必要な成分です。
オメガ3:オメガ6=1:3
が理想的と言われていますが、不足しやすいオメガ3を積極的に摂取して、オメガ6の取り過ぎには注意しましょう。
オリーブオイルはオメガ9系脂肪酸に分類され、主成分はオレイン酸です。オレイン酸は善玉コレステロールは減らさずに、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。
おすすめハーブやお茶
フラックスシード、イブニングプリムローズ、ヘンプはオメガ脂肪酸が理想的に配分されているので、サプリメントやオイルで取り入れましょう。
プーアール茶
ダンディライオン(たんぽぽコーヒー)
ウコン(ターメリック)
夏が終わり、老化を加速させないためにやりたい10のこと
1.睡眠をしっかり摂る
2.運動不足にならないように、まずは一日8000歩目指す
3.秋以降も紫外線を浴び過ぎないように日焼け止め、日傘、帽子など対策する
4.お風呂に入ってリフレッシュする
5.ストレスを溜めないように好きな事を見つける
6.暴飲暴食をしない、ファストフードやアルコールは程々にする
7.食品添加物をなるべく避け、緑黄色野菜、食物繊維を多く摂るように心がける
8.体に良い油を摂るように意識する
9.ジュースではなく、緑茶、紅茶などのお茶を飲む習慣をつける
10.ハーブやアロマの植物化学成分(フィトケミカル)を利用して心と体の健康を目指す
老化を加速させないためのハーブ活用法
強い抗酸化作用があるハーブ、チキンソテーなどお料理に使ってみて。オリーブオイルにつけて、ローズマリーオイルを作っておくのがおすすめです。
ジャーマンカモミール&ルイボス
手に入りやすいハーブ、ブレンドしてティーとして楽しみましょう。気持ちが落ち着きます。ミルクテーにしても美味しいですよ。寝る前に飲んでぐっすり。もちろんそれぞれシングルティーで楽しんでも。
ウコン(ターメリック)
ゴールデンミルクを作ってみましょう。温めた牛乳にウコンパウダーをフリフリ。蜂蜜を少し加えても美味しいです。
最後に
酸化、糖化、炎症はそれぞれ影響しあって老化が加速します。
歳を重ねて老化して行くことはごく自然なことですが、日々の食事、運動、睡眠などによって老化のスピードは変わってくるようです。
10歳以上若く見える方もいれば、10歳以上年上に見える方も。人それぞれではあるけれど、身体の内側も外見も心も少しでも元気でいる為に老化の三大要因を意識し、悪循環に陥らないように今回の記事を参考にしていただければ嬉しいです。