myherbs’s diary

気軽に楽しんでいただけるハーブや薬膳を紹介していきます。

漢方の学び方、漢方の基礎

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最近は漢方の学びをしていなかったので、少し復習することにしました。

メディカルハーブの勉強を続けていますが、ハーブの勉強より前に漢方スクールに通いました。その経緯と漢方の基礎について少しまとめてみます。漢方や薬膳についてこれから学ぼうと思っている方の参考になれば幸いです。

 

漢方の勉強を始めたきっかけ

40代半ば、疲れやすかったり、イライラしやすかったりと自分の体の変化に伴う不調を感じることが多くなりました。

薬局で調剤業務をしていると、少しのことですぐに病院を受診し、薬を処方してもらう方が多い事が気になります。

私が調剤薬局で働き始めた20年以上前と比べ、最近は漢方薬が処方されることがとても多くなっていますが、漢方薬をよく知らないことなどがきっかけとなりました。

どこでどうやって学ぶ?

漢方を学ぶのに、薬剤師には漢方薬生薬認定薬剤師を目指し勉強する講座があるのですが、私が学びたい事とは少し違いました。調べたところ、誰でも受講できる通信講座から通学実習が必須のスクールまで、様々な学び方がありました。

  • 本草薬膳学院:中医薬膳師コース(ユーキャン薬膳コーディネーター)
  • 日本中医学院:国際中医薬膳師
  • 薬日本堂:漢方スクール(薬膳・漢方検定)

食事の大切さを感じていたので、薬膳師もすごく気になったのですが、漢方の基礎から、養生について、疾患別漢方、漢茶、薬膳のコースもある漢方薬局大手の薬日本堂さんの漢方スクールに決めました。

薬膳・漢方検定

受講料がかかる事なので、まずは漢方に興味が持てるか知るために、市販のテキストで勉強できる「薬膳・漢方検定」を受験するための勉強をしました。

 

漢方は、自然哲学に基づいた医学。

自然哲学??何のこと??

漢方が重要としているのは、自然と調和して心身のバランスを整え、生命力を高めること。

毎日の生活習慣に留意して、自分の心と体に向き合うことこそが漢方の根底にあるもの。

漢方の起源にあたる中国医学の古典には「上工治未病」(じょうこうちみびょう)という有名な言葉があり、病気になる前に体が出したサインを感じ取り、病を未然に防ぐことが大切。

これこれ!

漢方の考え方の基本と薬膳の基本を学ぶことができます。

漢方の理論を素直に受け入れることができれば楽しく勉強できると思います。

合格率は毎回9割前後と高く、公式テキストをしっかり読み込めば合格可能です!

試験当日は老若男女、様々な方が受けていました。今はオンライン受験になっています。

健康に、美容に、仕事に役立つ内容がいっぱいです。

この検定は、漢方の理論と薬膳、養生の仕方まで学ぶことができるので、漢方や薬膳のことを知りたいけれど何から始めたらいいかわからない方におすすめです。

 

薬日本堂漢方スクール

漢方養生指導士初級(現在はベーシック)の勉強を通信で始めることにしました。当時は通学又は通信でしたが、現在は通学コース、オンラインコース、通信コースがあるようです。

初級の学びは中級、上級に進んでからもとても重要になる部分なので、スクールで先生の経験談なども含めた講義を受けた方が理解が深まると感じました。オンラインコースは、リアルタイムで通学コースと同じように学べるようです。

漢方の歴史、基礎、生理学、病因論、養生法などを学ぶことができます。陰陽五行説とは、気血水とは、五臓六腑とはをしっかり理解することが漢方を学ぶ大事な基礎となります。

試験直前講習をスクールで受けたのですが、一人で勉強していた時と違い、その数時間で一気に理解を深めることができました。

中級(アドバンス)、上級(漢茶マスター)は通学コースで受講しました。

https://www.kampo-school.com

 

↓オンラインで気軽に始めることができる薬膳の講座です。無理なく自分のペースで学びたい方に良さそうです。

  

 

漢方の基礎、考え方

漢方とは

奈良時代に中国から伝来した古代中国医学を基本とし、日本の民族の特性、風土の影響を受けながら独自に発展し、実践されてきた医療体系です。

漢方=漢方薬ではなく、漢方薬鍼灸、あんま、気功、薬膳など医学、薬学、養生学の全てが含まれます。

重要なのは生命力、自然治癒力を高めることです。

漢方医学と現代医学の違い

漢方医学

古代自然哲学を基礎理論としています。全体的に考え、正気(自己免疫力、自然治癒力)を重視します。心と身体とは切り離せないもの、治療とはバランスを回復するものと考えます。病人に着目した治療です。

現代医学

近代西洋科学を基礎理論としています。部分的に考え、病気を重視します。病気に着目した治療です。

 

陰陽五行説

陰陽五行説は、「陰陽論」と「五行説」という2つの哲学的思想の融合から成り立っています。

陰陽論

自然の全てが「陰」と「陽」から成り立つと考えます。陰陽が調和し、巡ることでバランスを保っています。人間の体も自然と同じように、陰陽のバランスを保つことが健康に繋がります。

陰陽の対立

陽は温かく、明るく、活動的。陰は静かで冷たく、落ち着いたものです。

 地 月 夜 静 冷 女 水

 天 日 昼 動 温 男 火

陰陽の依存

陰陽は互いに対立的で、お互いに依存し合っており、どちらか一方のみで存在することはできません。陰と陽、どちらも必要です。

陰陽の消長

陰陽のどちらか一方が盛んになると、もう一方が衰えるという変化を常に繰り返しています。

陰陽の転化

陰陽の質の変化。風邪で寒気(陰)を感じた後に熱が出る(陽)のような質の変化です。

「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」

寒い冬もピークを過ぎれば徐々に春がやってきます。

人体の陰陽

 腹部 下半身 五臓 血水(津液)

 背中 上半身 六腑 気

太陽が当たる背中が陽です。

 

五行説

万物は「木火土金水」の5つの基本要素から成り立っていると考えます。互いに助け合い、抑制し合ってバランスを保っています。人間も自然と同じように、5つの要素が助け合い、抑制し合ってバランスをとることが健康に繋がります。

五臓「肝心脾肺腎」

五臓とは生命活動の基礎となる気血水の生成、貯蔵、運搬を担うものです。西洋医学と重なる部分もありますが、五臓とは具体的な臓器ではなく、体内の5つの生理機能を表します。

:精神の安定、自律神経、情緒など

:心臓の循環機能、意識など

:消化吸収機能、水分、栄養の代謝など

:呼吸機能、皮膚機能など

:生命機能維持、生殖系、泌尿器系など

 

気血水について

人体は「気」「血」「水」に3つの要素で構成されており、生命活動の基礎となるものです。気は陽、血と水(津液)は陰にわけて考えます。

気とは

人体の生命活動の最も基本、生きる力の元になるエネルギーです。生まれる時に両親から受け継いだ「先天の気」と生きていく中で取り込む「後天の気」の2種類からなります。

生まれながらの体質を理解し、日々の食事、運動、休息などの養生により後からでも気を高めることは可能です。

気には、体の生理活動、体温の調整、外界から体を守る働きなどがあります。気が不足している状態を「気虚」滞っている状態を「気滞」と言います。

気虚タイプ:疲れやすい、風邪をひきやすい、食欲がわかない、食後眠くなるなど

気滞タイプ:イライラする、気分不安定、お腹が張る、喉や胸がつかえる感じなど

血とは

全身に栄養を供給し、潤すものです。精神活動の主な基礎物質、思考の源です。血が不足している状態を「血虚」滞っている状態を「瘀血」と言います。

血虚タイプ:乾燥肌、立ちくらみ、目の疲れ、物忘れ、夢が多い、手足の痺れなど

瘀血タイプ:シミあざができやすい、下半身の冷え上半身ののぼせ、肩凝り腰痛など

水(津液)とは

全身を潤す血液以外の体液を指し、水が不足している状態を「津虚」、滞っている状態を「水滞」と言います。

津虚タイプ:乾燥肌、コロコロ便、口の渇きなど

水滞タイプ:体が重だるい、むくみやすい、鼻水鼻詰まり、下痢軟便になりやすいなど

 

気血水が充実して、巡りが良ければ、全身にエネルギーや栄養を行き渡らせ、元気でいることができます。

 

気血水のタイプ別でライフスタイル、食事、運動など養生法があるので、今後の記事で紹介していきたいと思います。五臓の気になる症状でタイプをチェックすることもできるので、そちらも今後紹介します。

 

もっと気軽に漢方のことを知りたいという方に、漢方養生に関するおすすめの本2冊を紹介します。

薬日本堂漢方スクール講師、鈴木先生の著書です。漢方の基礎から養生法まで楽しく学ぶことができます。

 

季節によって養生法は変わってきます。「漢方の暮らし365日」を手元に置いて、日々の養生の参考にしています。著者は漢方薬局を長年経営されている薬剤師の方で、経験豊かな人生の大先輩です。

養生法や漢方の基礎知識についてもわかりやすい言葉で解説されており、とても参考になります。

 
 
 
漢方とメディカルハーブに共通することは、自然治癒力を高めて心身のバランスを整える働きです。
漢方の考えは、今の自分の体の状態を知る大切な指針になっています。