朝晩涼しくなってきました。寒暖差によって風邪をひいてしまっている方も多いようです。気温と湿度が下がると、風邪などのウイルスにとっては活動しやすい環境になります。とても暑かった夏の疲れで免疫力も下がっていることも。今回は免疫力を高め、風邪やインフルエンザなどを予防するハーブ、エキナセアを紹介します。
エキナセアについて
学名:Echinacea angstifolia,E pallida,E purpurea
キク科のエキナセア属の中でもメディカルハーブで用いられるのは上記3種類です。
夏から秋にかけて紫色の花を咲かせます。花の中央がトゲのように見えることから、ギリシャ語でハリネズミを意味する「echinos」を語源としてエキナセアと名付けられました。中心から放射線状に広がる花びらが日に日に垂れ下がっていき、その姿がバレンと呼ばれる江戸時代の火消しが用いた纏いの飾りに似ていることから、「ムラサキバレンギク」という和名になったそうです。
エキナセアは北米の先住民が最も大切にしたハーブで風邪や伝染病の治療に用いられました。1800年代にはアメリカで治療薬として使われるようになり、エキナセアに対する注目が高まりました。その後19世紀末にヨーロッパに紹介され栽培が始まり、戦後はドイツを中心にエキナセアの科学的研究が進められ、免疫機能を高める作用や抗ウイルス作用などの有効性や安全性が確認されました。現在イギリスやドイツではエキナセアを医療用に取り扱っており、アメリカではサプリメントも流通しています。
エキナセアの作用
- 免疫機能を高める
- 抗菌、抗ウイルス作用
- 抗アレルギー作用
- 炎症を抑える作用
- 外用で傷を治す
エキナセアの嬉しい効果
- 風邪やインフルエンザを予防する効果
- 花粉症などアレルギー症状を緩和する効果
- 尿道炎、膀胱炎などの泌尿器系のお悩みに効果的
- 治りにくい傷を改善(外用)
次の方は飲まないようにしてください
キク科アレルギーの方
結核、白血病、膠原病、多発性硬化症、エイズ、HIV感染およびその他の自己免疫疾患のような進行性疾患(ドイツでハーブを医薬品として利用する際の安全性などを承認する機関、ドイツコミッションE)
服用する時の注意事項
ドイツコミッションEモノグラフでは使用期間を8週間以内としているので、1日3回など医薬品のように服用継続する場合は注意してください。
イギリスの医薬品に関する機関では、12歳以下は禁止、ドイツコミッションEでは6歳以下1/2としています。(ハーブを医薬品として使用)
小さいお子さんは控えめにするようにしてください。
エキナセアのハーブティー
草の香り、独特な風味があります。飲みにくい場合は他のハーブとブレンドするのがおすすめです。風邪の予防や風邪気味の時にはエルダーフラワー、疲れた時や乾燥が気になる時はローズヒップやハイビスカスがおすすめです。
エルダーフラワーについての過去の記事はこちら↓
エキナセアのチンキ
秋冬に向けて、うがいにも使えるエキナセアチンキを作りました。
チンキとは有効成分をアルコールで抽出する方法で、水溶性と脂溶性の両方の成分を取り出せます。
材料
作り方
- 消毒済のビンにエキナセアを入れ、エキナセアが完全に浸る量のアルコールを注ぎ、瓶の蓋を閉めます。(日付ラベルを貼ります)
- 1日に1回、ビンを振って中身を混ぜながら、2週間つけ込みます。
- 茶漉しやコーヒーフィルターなどを使ってこし、保存容器に入れます。
- チンキ数滴をカップ半分の水に垂らしてうがいをします。またはお湯、ハーブティーや紅茶などに数滴たらして飲用。水で4から10倍に薄めて傷口に使用します。
保存期間は冷暗所で1年です。
まとめ
免疫を高めるハーブエキナセアは草っぽくて少し飲みにくいかもしれませんが、他のハーブとブレンドしたり、チンキを紅茶などに垂らすことで美味しく、エキナセアの恩恵を受けることができます。はちみつを加えると潤いアップ、美味しくておすすめです。ハーブの力を借りて元気に過ごせるといいですね。